1949年, 日本
ねずみ騒動
天敵がいない島々でネズミが大量発生
update:2017/12/18 21:22:12
ねずみ騒動は、1949年から、宇和海の島嶼部及び海岸部で起こったネズミの大量発生による、農作物や海産物等への被害。1963年頃まで続いた。
概要
1949年に戸島のトウモロコシがドブネズミにより全滅したのが始まりで、翌1950年には日振島に、1954年には三浦半島、1960年には南宇和郡、北宇和郡津島町(現宇和島市津島町)まで拡大した。
被害
異常発生の原因
- 敵がいない
- 山は頂上近くまで段々畑として耕作され山林が少なかったので天敵の生息条件が整っていなかった。
- 餌が豊富であった。
- 宇和海の特産イリコ(いわしの煮干)や甘藷、麦などの農作物が豊富にあった。
- 自然環境が適していた。
- 温暖で、段々畑の石垣や当時の家屋などがネズミの生息に適していた。
対策
- 1951年:北宇和郡野鼠撲滅委員会設立
- 1955年:宇和今海岸地方鼠族駆除対策委員会設立
駆除
- 薬剤による駆除
- 黄燐製剤、デスモア、フラトール
- 毒餌により、駆除のため放たれた猫が被害に遭うケースが多く見られた。
- 器具による駆除
- パチンコ、弓張式竹罠、鼠捕網
- 天敵による駆除
- 蛇191匹、イタチ156頭、猫4392匹
- 三間小学校では猫の出陣式も行われた。
- その他の駆除
- 捕鼠奨励制度(ネズミの尾を一本5円で買い上げ)、栗のいが(鼠の穴に詰める)、環境的駆除(清掃など)
しかしどの方策も、決定的な解決には結びつかなかった。
終息
1963年頃より、不漁によるイリコ製造の廃業、若者の村外流出による段々畑の耕作放棄などによりネズミの生息環境が劣化したことにより、徐々に減少していった。