2015年, フランス・アメリカ

タリス銃乱射事件

高速鉄道内でのテロと乗客により制圧

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update:2018/10/24 09:26:32

タリス銃乱射事件とは、2015年8月21日に発生した、高速鉄道タリス車内でイスラーム過激派の男が銃を乱射した事件。

「タリス」はフランス・ベルギー・オランダ・ドイツの4カ国を結ぶ高速列車。

概要

事件が起きたタリスの同型車
タリス鉄道路線図

2015年8月21日、乗客554名を乗せたアムステルダムパリ行きの高速鉄道タリス車内で、トイレに入ろうとしたフランス人の乗客が、トイレ内で自動小銃AK-47の装填音に気づいた。音のしたトイレから利用者の男が出てきたところを取り押さえようとしたが、男が自動小銃を発砲した。このときフランス系アメリカ人の乗客が被弾し重傷を負った。

発砲が起きると乗務員は客室の通路を走って乗務員室に逃げ込みをかけた。乗客達が乗務員室の扉をたたき開けるよう求めても乗務員は扉を開かなかった。

しかし、乗客のアメリカ軍人2名(アレク・スカラトス、スペンサー・ストーン)、アメリカ人大学生(アンソニー・サドラー)、フランス在住イギリス人ビジネスマン(クリス・ノーマン)が男を取り押さえ、制圧に成功した。

アメリカ空軍兵士であるスペンサー・ストーンは犯人にカッターナイフで切り付けられ、首と手を負傷した。犯人を取り押さえたアメリカ人3名は友人であり、幼馴染でもあった。オレゴン州兵であるアレク・スカラトスが、アフガニスタン駐留から帰国したのを祝っての旅行のため3名はタリスに乗車していた。

犯人はシリアへの渡航歴もあるイスラーム過激派の26歳のモロッコ国籍の男で、事件前から情報機関にマークされており、事件当時はAK-47のほかにも複数のナイフや拳銃を所持していた。

また、搭乗していたフランス人俳優のジャン=ユーグ・アングラード警報器を鳴らそうとしてガラスをたたき割り軽傷を負った。また、乗務員が乗務員室に逃げ込み、扉を施錠して閉じ籠ったこともあり乗客全員が殺害されることを覚悟したと述べている。

スペイン政府のテロ対策機関は、犯人が2014年まで7年間、スペインに居住しており、ベルギーには短期間居住し、フランスを経てシリアへの渡航歴があったことを公表している。

事件後の顕彰

左からフランソワ・オランドフランス大統領、アレク・スカラトス、ジェーン・ハートレイ在フランスアメリカ合衆国大使、スペンサー・ストーン、アンソニー・サドラー(2015年8月14日エリゼ宮殿

犯人を制圧したアメリカ人たちの行動に対して、フランスのベルナール・カズヌーヴ内務大臣は「非常事態において偉大な勇気を示した」と讃えた。また、バラク・オバマアメリカ合衆国大統領は「英雄的な行動で悲劇を防いだ」と称賛した。

アラス市からは勇気を讃えるメダルが授与された。フランス政府からはレジオン・ドヌール勲章が授与された。また、3人はバラク・オバマ大統領からホワイトハウスへ招待された。負傷したスペンサー・ストーンには更にパープルハート章エアマンズメダルが授与された。

事件後、兵士は再び軍務に復帰している。

本事件はクリント・イーストウッドの監督の下で『15時17分、パリ行き』というタイトルで2018年に映画化され、アレク・スカラトス、スペンサー・ストーン、アンソニー・サドラーは本人役で主演した。