1964年, アメリカ合衆国・ニューヨーク州

キティ・ジェノヴィーズ事件

"傍観"された殺人

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update:2018/10/23 09:27:19

キティ・ジェノヴィーズ事件は、1964年3月13日アメリカニューヨーク州クイーンズ郡キュー・ガーデン地区で発生した殺人事件である。

この地区に住むキティ(Kitty)ことキャスリーン・ジェノヴィーズ(Catherine Genovese)が、帰宅途中であるキューガーデン駅の近くで暴漢ウィンストン・モースリー(Winston Moseley)に殺害された。

ニューヨーク・タイムズは、彼女は大声で助けを求めたが、近所の住人は誰ひとり警察に通報しなかったと報じた。この事件がきっかけとなり、傍観者効果が提唱された。

事件の概要

キャスリーン・ジェノヴィーズ

事件当日、ジェノヴィーズはキュー・ガーデン地区とは別地区であるホリス (クイーンズ)にて、バーのマネージャとして未明まで仕事をしていた。

仕事明け自宅近くの駐車場まで車で帰宅し、そこから自宅まで歩いているところをモースリーにナイフで背中を刺された。ジェノヴィーズが悲鳴を上げると、アパートの窓に明かりがともり、1人の住人が窓を開け、ジェノヴィーズを離すよう怒鳴った。モースリーは住民を見上げ、肩をすくめると、ジェノヴィーズから離れ、自分の車まで歩いて行った。しかし、窓の明かりが消えると、モースリーは、また向きを変えて、自分の部屋に帰ろうとしたジェノヴィースを再度刺した。

ジェノヴィーズは再び叫び声を上げると、建物の明かりがともった。モースリーは自分の車に乗って立ち去った。だが、その後モースリーはジェノヴィーズのもとへ戻り、首などを刺す致命傷を負わせた。その後、同じアパートに住む男性が警察に通報したが、彼女はすでに亡くなっていた。事件から6日後、モースリーを逮捕し、起訴した。裁判の結果、一審では死刑を宣言されたが、二審では終身刑となった。

なおモースリーは事件前から同様の犯行を繰り返して傍観者心理を理解していたらしく、早々に住人に発見されたにも関わらず逃げなかった理由について「発見者はすぐ窓を締めて寝るだろうと思ったし、その通りになった」と告白している。

2015年、キティの弟が当時の目撃者を訊ねて話を聞いて歩くドキュメンタリー映画『38人の沈黙する目撃者』が公開された。38人の目撃者とされた人の中には、声を聞いたけれど何も見えなかった人、犯人は見ずにキティが歩き去る姿だけを見た人、すぐに警察に電話をしたが「すでに連絡を受けています」と言われた人(警察の記録には残っていない)などがいた。